2024年2月22日、日経平均株価が3万9000円台に上昇し、バブル期の1989年12月29日に記録した史上最高値を34年ぶりに更新しました。この日の終値は、前日比836円52銭高の3万9098円68銭でした。この記事では、日経平均株価が史上最高値を更新した要因や、今後の日本経済の展望について考えてみたいと思います。
日経平均株価が史上最高値を更新した要因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 企業の業績回復：日本経済新聞社が東証プライム市場に上場する3月期決算企業の業績予想を集計したところ、最終利益の合計は3期連続で過去最高を更新する見込みです。特に半導体関連や自動車などの輸出関連銘柄が好調で、米半導体大手のエヌビディアの決算が市場予想を上回ったことも追い風となりました。
- 経済対策の効果：政府は2023年12月に事業規模37兆円の経済対策を発表しました。この経済対策には、定額減税やインフラ整備、デジタル化推進などが盛り込まれており、内需の拡大や生産性の向上に寄与すると期待されています。
- 金融環境の緩和：日本銀行は2024年1月に金融政策決定会合を開き、現行の金融緩和策を維持するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業や地域に対する支援策を延長することを決めました。また、米連邦準備制度理事会（FRB）は2024年3月に利上げを開始するとの見方が強まっていますが、日本銀行は利上げには慎重な姿勢を示しており、日米の金利差が拡大することで円安・ドル高が進む可能性があります。これは、輸出企業の収益を押し上げる要因となります。
これらの要因により、日本経済は緩やかな回復基調にあると言えます。しかし、一方で、以下のようなリスクにも注意が必要です。
- オミクロン株の感染拡大：新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株の感染が世界的に拡大しており、日本でも確認されています。オミクロン株の感染力や重症化率、ワクチンの有効性などについてはまだ不明な点が多く、感染状況や医療体制によっては、再び緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令が必要になる可能性があります。その場合、消費やサービス業などに打撃を与える恐れがあります。
- 物価上昇の圧力：原油や食品などの国際商品価格の高騰や、半導体などの供給不足によるコスト高が、物価上昇の圧力となっています。政府の経済見通しでは、24年度の消費者物価指数は前年度比2.5%上昇すると見込んでいます。物価上昇が所得増加を上回ると、実質購買力が低下し、消費の減速につながる可能性があります。また、金融政策の正常化に向けた動きが加速すると、金利の上昇や株価の下落などの影響も懸念されます。
- 地政学的な緊張：中東情勢やウクライナ情勢が緊迫する中、米国と中国やロシアとの対立が深まる可能性があります。これらの地域での紛争や制裁などが発生すれば、世界経済やエネルギー市場に大きな影響を及ぼす恐れがあります。日本は、これらの地域との経済的なつながりが強く、また、安全保障上の課題も抱えているため、地政学的なリスクに対する対応が重要になります。
以上のように、日経平均株価が史上最高値を更新したことは、日本経済の回復の兆しを示すものですが、同時に様々なリスクにも直面していることを忘れてはなりません。日本経済が持続的な成長を遂げるためには、感染症対策や物価安定、国際協調などの課題に取り組むことが必要です。私は、日本の政府や企業、市民が一丸となって、これらの課題に対処していくことを期待しています。また、私たち個人としても、日経平均株価の動向に一喜一憂するのではなく、自分の資産やライフプランを見直し、適切な投資や節約を行うことが大切だと思います。
